もしもあの人の立場だったら?もしもの世界を体験するシミュレーションゲーム
こんにちは!
コミュニケーション専攻3年の岩崎、荒井、柴田、須賀、渡邊です。
私たちは、8月にアプリ開発ブートキャンプに参加しました。アプリ開発ブートキャンプでは、8日間でテーマに沿ったアプリの企画から開発、プレゼンテーションまでをチームで行いました。
今年のテーマは、「『ボーダレス』多様な人々をつなぐインクルーシブアプリ」です。今年のテーマに基づき、私たちは「共生」をアプリのビジョンとしました。他人事を自分事にという信念のもと、困っている人に気づき、助け合うことは、共生への第一歩を踏み出します。また、当事者への理解を深めることで、より共感力のある社会づくりや相手目線で考える習慣を学ぶことができます。
私たちは「もしもシミュレーター」というアプリを作成しました。このアプリは困っている当事者の立場やサポートする立場をゲーム形式で体験できるアプリです。
このアプリの作成にあたって取り上げた社会課題は「困っている人を見かけてもどう声をかけていいかわからず行動できないこと」や「当事者への知識不足、理解不足」です。日本の若者はボランティアへの関心が先進国の中で最も低いというデータもあります。これらの解決策としては、今回作ったアプリで当事者の立場、サポート側の立場を擬似体験をすることで、理解を深めることや、得た知識を行動の参考にすることが挙げられます。
作成したアプリを一言で表すと「もしもあの人の立場だったら?もしもの世界を体験するシミュレーションゲーム」です。近年、社会全体で多様性への理解が求められていますが、実際には障がいを持つ方々などへの理解や配慮がまだ十分とは言えません。その原因は、自分が体験したことのない、または自分とは異なった特徴を持っているため実感しづらいことです。そこで私たちは、そのような"見えない壁"を越えるためのアプリ開発を目指しました。
開発フェーズではMonacaを使い、HTML、CSS、JavaScriptでアプリを実装しました。
以下がアプリ概要です。
「当事者モード」と「支援者モード」
このゲームは、2つのモードで展開します。当事者モードの、「もしも1:見えぬ世界で電車に乗れ!」のステージでは、プレイヤーは視界の半分が見えない、「同名半盲(どうめいはんもう)」の世界を体験します。選択肢を選んで行動を決定したり、聞こえてくる音を頼りにしたりしてゲームを進めていきます。もし選択肢を間違えてしまうと、人にぶつかる・線路に落ちるなどのハプニングが発生します。
交流広場
掲示板機能を通じて、プレイヤー同士が自由に手助けの体験を共有できます。たとえば、自分ができた手助けの報告や、ゲームを通して学んだこと・得た知識を投稿することが可能です。こうしたやりとりを重ねることで、助け合いの輪が広がり、新しいアイデアや知識が生まれていきます。交流広場で得た知識や情報が自信につながり、実際に困っている人に声をかけるきっかけになることを目指しています。
豆知識
ステージをクリアすると、そのステージに関連する豆知識を知ることができます。例えばこの、「もしも1:見えぬ世界で電車に乗れ!」のステージをクリアすると、プレイヤーが経験した、視界の半分が見えない世界「同名半盲」についての豆知識を得ることができます。ゲームを通じた体験に加え、その背景にある医学的知識や日常生活での工夫などを学ぶことで理解が深まります。
このアプリでは、たとえば同名半盲の方が改札を通り、電車に乗るまでの一連の体験を、音を頼りにプレイするゲームとして再現しています。人の気配や周囲の危険を察知するために、音の演出にも細心の注意を払い、実際の状況に限りなく近づけるよう設計しました。こうした体験型のコンテンツを通じて、ユーザーは当事者の視点に立ち、日常の中にある困難や工夫に自然と気づくことができます。
このアプリを使用することによって、ユーザーやサポートが必要な人への理解を深め、「どう声をかければよいかわからない」という不安を、「行動できる自信」へと変えることができます。さまざまな人の「もしも」を想定して、皆が行動できる社会の実現を目指したいです。そんな一歩をこのアプリが後押しできたら幸いです。共生社会の実現に向けて、まずは「理解すること」から始めてみてはいかがでしょうか?
アプリ開発ブートキャンプに参加して、想像したものを実際に形にするやりがいを感じ、現状の社会問題についても再認識することができました。チームメンバー全員がプログラミング初心者でしたが、授業で学んだ知識を使いながら自分たちで知識と経験を積める体験ができたことは今後の場面でも大いに役立つと思います。今後も自分たちの興味のあることに挑戦していきたいです。
岩崎、荒井、柴田、須賀、渡邊