文系・理系を超えた多様な学び

東女の桜

皆さん、こんにちは。
コミュニケーション専攻、唐澤ゼミの由井です。
先月、無事に卒業式を終え、現在は社会人1年目として、充実した毎日を送っております。
今回は、私が学生生活で学んだことを皆さんにお話しできればと思います!

文化心理学って?

私は、唐澤真弓先生のゼミで文化心理学を専攻していました。文化心理学は、皆さんにはあまり聞きなれない言葉かと思いますが...簡単に説明すると、国や文化、地域によって、人の心理がどのように違ってくるかを研究する学問です。自分が生まれ育った環境(親子、家族、学校、文化等)が自分(心の働き)にどう関わっているか、自分が今生きている現実社会(メディア、政治、宗教など)が自分にどう影響しているかを質問、インタビュー、実験といった方法で解き明かしていく、比較的新しい研究分野です。人間と社会とのコミュニケーションを検討しているとも言えますね。コミュニケーション専攻の3領域の中では、多文化コミュニケーションに含まれています。基礎科目としては、コミュニケーション概論Ⅱ(多文化)や、専門科目として文化心理学(文化と自己)などがあります。私は1年次に、コミュニケーション概論Ⅱ(多文化)、さらに唐澤先生が担当されていた先端トピック概論(コミュニケーション)Aという2つの必修科目受けて、人間を理解するのに、こんな方法があったのかを知り、文化心理学を学びたい!と思ったことを覚えています。先生の体験した世界の人々とのコミュニケーションを聞いて、アメリカをはじめ、アジア、ヨーロッパとの違いを体験する旅をしたくなったり、宗教、ジェンダー、社会格差など、人々の違いを生む現代社会の問題を考えるようにもなりました。

文系と理系を超えて

念願叶って3年次から唐澤ゼミに所属することができ、文化心理学を専門的に学び始めました。授業とは別に、唐澤先生がミシガン州立大学と共同研究を行なっているプロジェクト(脳波とメンタルヘルス)に参加することができ、私の卒業論文のテーマはさらに深まりました。 私の研究について少し紹介させていただくと、女性の月経周期におけるホルモン変動が、不安、抑うつといった心理状態にどう影響しているか、またその影響に文化差は存在するのかということを明らかにすることでした。「え?理系?」と思った方もいるかもしれません。 実際、私もこの研究の説明をすると多くの方から、「文系でそんなことするの?」と言われました(笑)。 ですが、この文理の垣根を超えて研究できるのがコミュニケーション専攻の大きな強みであると思います(同期の卒論も、美容実践についてであったり、発達障害への理解であったり...。アプリで画像を作成したり、メディアを実験刺激に用いたりと、本当に多様なテーマと方法でした)。 私自身、研究を進めるにあたり、一から計画して実験をしたり、実験で得たデータを専門のソフトを使って分析したりと、コミュニケーション専攻で行う研究は、多くがこのような科学的な手法を用いたものです。 「私、おもいっきり文系だけど...」という方もご安心ください。1年次からこういった手法を丁寧に学べる授業が充実しているため、卒業論文を執筆する4年次には、数学が苦手だと言っていたことが嘘のようにデータを扱えるようになっています。最近話題の「データサイエンス」をすでに学んでいたなと思います。現実の問題を科学的手法で分析し、理解していくことができるようなカリキュラムになっているんだなと。

このように文系理系に捉われず、広い視点で人間と社会との関係を研究できる環境がコミュニケーション専攻にはあります。その環境のおかげで、私も自分の興味のある研究テーマで卒業論文「女性ホルモン周期と不安傾向」を執筆することができ、アメリカとの比較をしていたこともあって、比較文化研究所賞をいただけました。 こうしたコミュニケーション専攻のスタイルは、東京女子大学が特徴とするリベラルアーツ教育に基づいたものであると思います。専門分野で自分がみつけたQUESTIONについて、専攻以外の授業から理解を深め、自分の研究にパワーを与えてくれる学びができるのです。

唐澤研究室前

大学で何をするか、はっきり決めていなくても大丈夫。むしろ決めていなかったからこそ、大学で学んだ新しい研究分野や別の専門分野の視点をたくさん吸収することができたのかもしれません。ぜひこういった学び方もあるということを知っていただき、これから皆さんが進路を考える際の参考になれば幸いです。 そして、皆さんがこの素敵なキャンパスに訪れてくれることを願っています。 最後までお読みいただきありがとうございました。

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