より良い学校生活を求めて

はじめに

梅の写真

はじめまして。コミュニケーション専攻、小田ゼミ3年の横田、風間です。3年次の後期授業が終わり、大学生活も残すところ1年となりました。学生生活の集大成となる新学期に向けて、緊張感と期待感を持ちながら春休みを過ごしているところです。今回のブログでは、私たちが後期ゼミで行った研究を紹介したいと思います。

みなさんは日常生活で、どのような困りごとを感じますか?見たい映画が近所で上映していない、雨の日はくせ毛がうねってまとまらない、など、その人の持つパーソナリティによって、困難を感じる場面は様々だと思います。もしも、このブログを読んでいるあなたが女性であるのなら、学校などの外出先で生理用品の持ち合わせがなくて困った、という経験が一度や二度はあるのではないでしょうか。今回私たちは、このような生理用品に関する困りごとを足がかりに、女性の生理と貧困をテーマとした研究を行いました。

生理の貧困について

現在、女性の社会生活に関する問題として「生理の貧困」が、日本国内のみならず世界中で注目されています。海外の例として、英国スコットランドでは2020年、生理用品を無償提供する法案が全会一致で可決されました。またカナダやオーストラリアでは、生理用品の税率を引き下げたり廃止したりしています。日本でも、近年は都内を中心に、トイレ内に生理用品のディスペンサーなどを設置している学校や企業が多くあります。しかしながら、本学のトイレには未だ生理用品が設置されていないというのが現状です。ジェンダー教育に力を入れている女子大でありながら、なぜ導入が実現しないのだろうか、私たちはこのような疑問を持ちました。そこで導入について学校と生徒の考えを知り、最終的には本学トイレへ生理用品を設置することを目標に、アンケート調査を行いました。

活動内容

調査では、はじめに学校側へのインタビューを行ないました。本学では現在、保健室で生理用品の無料配布を行っていますが、利用した生徒には、次回から購買やコンビニで購入するように伝えているそうです。また、過去には校内トイレ付近に生理用品の自動販売機が数台設置されていましたが、老朽化に伴い撤去されてしまったという経緯があることも判明しました。次にインタビューを踏まえて、生理用品の利用状況や経済状況などの項目に回答してもらうアンケートを作成しました。回答を得る事ができた330名のデータを集計した結果、学部生の半数以上が実際に生理用品の持ち合わせがなく困った経験があり、90%以上が大学トイレ内の生理用ナプキンの設置を求めていることが分かりました。その他、生理用品が入手困難であるときには、トイレットペーパー等で代用したり、我慢したりするという声もありました。生理用品が必要な時に手に入らないという困難は、身体的・精神的な健康に影響を及ぼすと共に、授業に集中できないなどの弊害をもたらすと考えられるのではないでしょうか。

また、統計分析の結果からは、学費負担のある生徒の方が、より生理用品の購入に負担を感じている傾向にあるということが明らかになりました。この研究を通じて、女性の生理と貧困に関する問題は、私たちの身近に潜んでいるということ、そして、私たちが想定していたよりも深刻であるということが浮き彫りになったように思います。

今後望むこと

調査を行なった結果、本学トイレ内へ生理用品の設置を求める声が予想以上に多くあることに、研究を行なった私たちも大変驚きました。今回の研究は、生理用品の設置や、生理の貧困に関する実態を明らかにするための予備調査でした。しかし最終的な目的は、本学のトイレ内の生理用品の設置を実現することです。春から東京女子大学に入学してくる新入生を含め、一人でも多くの人が快適に利用できるトイレ環境及び校内環境づくりを追及していきたいと考えています。

受験生に向けて

小田ゼミには、生徒である私たち自身が関心を持ったテーマについて、思う存分研究することができる環境があると感じています。今回の研究も、ゼミ生同士の雑談で日常の困りごとが話題に挙がったことが、始動のきっかけでした。身近な社会に変革をもたらすかもしれない、困りごとを抱える人の日常生活が少しだけ豊かになるかもしれない。そんな前向きでワクワクした心を持ち、楽しみながら研究をしている生徒が、小田ゼミには多いように感じます。このブログを読んでくださった方に、私たちの研究や学生生活の雰囲気、コミュニケーション専攻の魅力が届いていれば幸いです!最後までお読みいただきありがとうございました。

参考文献

クレア・ダイヤモンド. BBCスコットランド・ニュース. 2020年11月25日. 「生理用品、あらゆる人に無料提供へ 英スコットランドで世界初」https://www.bbc.com/japanese/55068287

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