子育てをはじめて

私事ながら昨年の6月から初めての子育て生活が始まり、ありがたいことに10月から半年の間育児休業を取らせていただいた。

元々子育てには憧れを感じていたとともに、男女問わず仕事と私事で活躍すべきだという理想を持って始まった子育て生活であったが、その憧れと理想は子育てを通して良い意味で打ち砕かれた。

昼間は1メートルでも離れると大泣きをされ、夜中にも2,3時間に1度は元気に自己主張する息子との生活を続けているうちに、仕事も私事も完璧にこなす理想のパパ像とはかけ離れてはいるものの、子どもの喜怒哀楽を中心とした "不完全な"3人の生活を自然と受け入れることができるようになっていった。

もうすぐ1歳になる息子

いただいた期間で家事や育児を器用にこなす理想的なイクメンになれた自信はないが、夫と妻との明確な分担なく家族事を自分事として当たり前に感じ当たり前にこなすことはできるようになったと思う。

地域の人々との交流

家庭外の生活においても、子どもの送迎時に同じ保育園に通うママやパパと声を交わしたり近所の方々と会話する機会が増えただけでなく、子どもを連れて外に出ると毎回のようにおじいさま・おばあさまから声をかけてもらうようになった。子育てを通して今までは声を交わすことのなかった様々な人たちと直に触れ合うことができるようになったことは、この上なく大きな財産であると感じる。

そして、このブログを管理しているコミュニケーション専攻も、従来は交じり合わなかったであろう3分野(メディア・情報デザイン・多文化)が、現代社会の変容に伴い結びついた専攻である。

専攻での学びは、分野横断的な学びを促す1年次演習および概論科目から、問題を多角的に捉えるための方法論を学ぶ研究法科目、そして実際に学生自らが五感を通じて実体験をする「ダイバーシティとコミュニケーション」「アプリ作成入門」「多文化コミュニケーションデザイン」といった実践科目、さらには日本語を介して世界中の様々な人たちと日本との橋渡しを担う日本語教員を養成するための専門科目群まで多岐にわたる。

そして、専攻科目自体がこのように多様性であること以上に、リベラルアーツ教育の中で1人1人が3領域を横断した自分なりの学びを主体的に形作っていくことで、100人100色の卒業生が社会で輝きを放って活躍していることが、何よりも本専攻の1番の強みであろう。

多大な負荷がかかるにもかかわらず快く育児休業を受け入れむしろ薦めてくれた専攻をはじめとする本学の教職員や学生にあらためて心よりの感謝申し上げるとともに、今後の教員生活の中で時間をかけて恩返しができればと思う。

福島慎太郎

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