落ち込んだ日の見つけもの

人間、誰しも気が晴れなかったり落ち込んだりする時があるもので、そういう日はついうつむいて歩いたりしますよね。私もそうです。

でも、東京女子大学のキャンパスでは、そんな日でもおもしろいものに出会います。正門を入ると正面に見える本館、その本館に向けて芝生の中を道が通っています。その道を何となく下向いて歩いていると、芝生の中にキノコが生えていたりするんです。特に、雨の翌日の朝とか。梅雨の頃は、白くて細いキノコ。ちょうど、エノキ茸が1本ひょろりと立っている感じ(カサはエノキ茸よりちょっと大きい)。夏の終わりや秋の雨の後にはまた別のキノコが生えています。写真のような、絵本に出てくるキノコみたいなやつです。

キノコの写真1

キノコの写真2

足元に見つかるおもしろいものは、キノコの他にもあります。キャンパスには大きな木がたくさんあるので、ドングリや松ぼっくりもどっさり落ちていますが、日本で多い丸っこい松ぼっくりの他にも細長いのもあって、ちょっと外国っぽい感じがします。正門を入って右側、チャペルと6号館の間ぐらいのところにこれのなる木があります。

細長い松ぼっくりの写真

でも、ここで特にご紹介したいのは、次の写真のようなもの。長さは15センチ近くあり、松ぼっくりとしてはかなり大きくてどっしりしています。

杉ぼっくりの写真

これがなる木は、7号館の本館側出口を出てすぐ左側にそびえ立っています。ヒマラヤ杉だと聞いたこともあるので、そうだとしたら松ぼっくりじゃなくて杉ぼっくりですね。この杉ぼっくりが驚異的なのは、そのままの形ではなく(そのままの形で落ちているのはあんまり見つかりません)、形を変えていくことです。杉ぼっくりがどんどん開いて、花弁のように根本部分から1枚ずつ落ちていくらしく、木の下には落ちた茶色の花びら状のものが散り敷いています。でも散って全部なくなったりはしません。茶色の花弁の山の中に、バラの花のようなものが落ちているんです。この写真を見てみてください!

バラの花のような杉ぼっくりの写真

多分、先っぽだけ残ったものが、かわいいバラの花のような形で落ちているんです。私は初めて見た時、ほんとにびっくりしました。自然にこんなかわいいものができるなんて...。みなさんも、この木の下に茶色の花びらがたくさん落ちているのを見つけたら、小さなバラの花を探してみてください。

足元だけじゃなく、顔を上げて歩いていると見つかるものも1つご紹介しましょう。カルミアという小さめの木に咲く花です。ご存じの人もいるかもしれませんね。

カルミアは、特につぼみがとてもかわいいです。なんかmeijiのアポロチョコみたいだと思いませんか? キャンパス内のカルミアは、白い花の木とこのピンクっぽい花の木がありますが、私はピンクの方が、つぼみの赤みが愛らしくてお気に入りです。この木は4号館前のピロティ(自販機やベンチがある)の近くに生えてます。

カルミアの写真

こんな風に、木や花が多くて、木の実やキノコもいっぱいのキャンパスですが、1つ不思議に思っていることがあります。なぜかツクシが見つからないのです。私はツクシンボが大好きで、家の近所に群生スポットを見つけて、春の楽しみにしています。前の職場から2010年に東京女子大学に来て、ここならさぞかしすてきなツクシスポットが...と思ったのですが、いまだに発見できていません。ツクシが顔を見せる3月は春休みで大学に来る日が少ないから、捜索が手薄なのかもしれませんが。

これを読んでくださったあなたへ。来年の3月、もし東京女子大学のキャンパスでツクシを見つけたら、きっと私に教えてくださいね!

熊谷智子

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